外科医にとって家庭をもつことは大きなイベントです。
外科医の結婚は周囲をみていると、大学からの付き合い、研修医同期、医療従事者など職場で出会うことが多いようです。それはとても自然なことで、よく知っていることが大きな理由だとおもいます。そして、外科医というものをよく知っているからでしょう。
外科は他の科にくらべて、拘束時間がながく、研修のための異動もおおいです。拘束時間がながいのは、手術が内科の先生の仕事にプラスしてあるためです。手術はもちろん外科医の醍醐味であり、メインにしたい仕事です。しかし、手術だけやっていればいいわけでもありません。手術の後の患者さんの管理もあり、ときにそれが手術とおなじように重要になってきます。心臓外科はその最たるものだとおもいます。そのため、内科の先生のように薬をオーダーすることもしなければならないからです。異動が多いのは外科研修のしっかりした病院が地域の中心的な病院になることがおおく、病院をいくつかわたることで、技術を磨くことができるためでしょう。そういった環境はかなり特殊で、配偶者も異動についていくことになります。それについてこれる配偶者は、場所と時間がフレクシブルな仕事をしているか、主婦しかないのです。医師や看護師はその点フレシキブルなので、結婚しやすいのでしょう。
結婚するタイミングというのは非常に大事になってきます。もちろん個人の自由ですが、たとえば、無給でも留学をしたいとなると、こどもがいると一気に家計が苦しくなります。海外では生活費のほかに、保険などの費用もかさみますし、学校にも非常にお金がかかることがあります。家庭をもって留学するというのは並大抵のコストではないのです。
そういう外科医も合コンなどで出会いをさがすこともありますが、日々の仕事が忙しいので、結局は身近なよく知っているひとにおちつくことがおおいです。ただ趣味などがあるとそこで出会うこともあるようです。逆に結婚パーティーなどにでるひとはすくないとおもいます。なぜなら時間があわないことが多いためです。ちなみにアメリカの研修医とふれあっていると、彼らは出会い系サイトをうまくつかっているようです。出会い系サイトというといかがわしいように聞こえるのは日本だけで、職業をしぼった出会いのサイトや学歴でしぼったサイトもあるため、自分にあった出会い方ができるので、効率よく相手をさがすことができるのです。
家庭では、やはり時間がよめないのもあり、配偶者に頼る分がおおきくなるとおもいます。そのせいか、離婚率もたかいかもしれません。また外科医の先生は無駄に元気で、浮気にはしる先生もいるようですが。冷静にかんがえてみると、離婚にたっしたときにかかるお金や時間というコスト、こどもへの影響などのコストを考えると、欲にそこまで支配されるべきではないのだとはおもいますが。
これだけ忙しい外科医がひとらしい生き方ができるようになるためには、やはり、新しい仕組みづくりが必要で、私は前にも話したプライベートプラクティスモデル、つまりひとりの患者さんを複数で担当するのが、望ましいと、おもいます。家を省みないことをわかっているので、家庭をささえるおくさんに感謝しているひとも多いです。大目にみてあげてください。笑