バイパス手術をやる際にステントがはいりすぎていて、いい手術ができないことがあります。わかっていることですが、ステントを何本もいれて局所治療をするのは標準治療ではありません。
よく進行している動脈硬化が進みすぎている血管(冠動脈病変)に、ステントをいくつかいれた上で、残りの病変はすくないからステントで…という先生がいます。これはいけません(笑)
ステント治療は局所的で病変の箇所をおしあけているわけで、根本的な治療をしているわけではありません。ステントが多くはいっていると、長い目でみたときに、そこがかなりの確率でせまくなります。そのたびに小さな心筋梗塞をおこし、心臓の機能はおち、血管はきれい(にみえる)のに、心臓の機能がおちているということになりかねません。
バイパス手術のすぐれている部分は心臓の筋肉にたいする血管数を増やすので、将来の心筋梗塞の予防をしてくれるのです。つまり、長生きしそうなひとにはむしろ積極的にバイパス手術をするべきなのです。
くわえて、バイパス手術をするときにステントは邪魔になります。ステントのはいっているところに血管をつなぐことはできない、望ましくないので、太い血管すべてにステントがはいっていると、結局細い血管にバイパスをつながなくてはなりません。細い血管につないだバイパスは高率に閉塞することはわかっているので、結局、患者さんのためにはなりません。
なので、ステントが2本3本はいるとなったときに、是非心臓血管外科にセカンドオピニオンにきてください。内科の先生も、なかなか、この辺のところは知らないところなのと、ステントがより患者さんの負担がすくないので、ステントを選びがちですが、心臓血管外科手術をうけたほうがいい患者さんはおおくいます。
なんか外科って怖そうっておもうひともいるでしょうが、日本では結構安く相談できるので、相談することをおすすめします。