医療ミスと合併症の違い

最近次々と医療ミスのニュースをみかけます。もちろん、残念な、本当にミスとよばらるものもあります。たとえば、検査結果がでていたのに、伝え忘れたり、ガーゼをおきわすれたり。これらは明らかなミスと、いえるでしょう。

しかし、一方で単純に予想された合併症がおきたような事例もまじっています。たとえば心臓手術後の脳梗塞や、大動脈解離手術後の出血などがそれです。そういったことは残念ながら、ありえます。もちろん、外科医師はやりたくてやっているわけではありません。そういった事例はときに避けられないのです。

しかし患者さん側にはそういう違いはわかりにくいです。なんとなく結果がわるいとそれはプロセスに問題があったからだとおもうとおもいます。逆にいうとプロセスがただしければ、合併症などおこるはずがないとおもうのです。

実際はプロセスが正しくても合併症は起きます。

残念ながら医療では100%はありえません。だからこそ同意書が必要で、説明が必要なのです。外科医にとって何パーセントおきることでも、患者さんにとっては実はおきるかおきないか、1か0なのです。

判例をみているとおどろかされるものがあります。”注意をおこたった”という文章をみますが、注意していない外科医などいませんし、チームがいるとはいえ、リーダーはひとりですので、完璧ではありえないのです。たとえば、とりきるもののとなりの臓器をきずつけたとしたら、それは注意が不足だったのでしょうか?もちろん、気をつけるべきですが、かといって、時に避けにくいときがあります。

できれば、そういう事例では医療の専門家以外はかかわってほしくないとおもいます。検察にももちろん、そういうバックグラウンドの医師か、ちゃんと学会のお偉方の先生がた、もしくはすでに引退された先生に、謝礼をはらって、依頼してほしいです。医師はそれが仕事ではないですから、謝礼が生じるのは当然です。医療専門の裁判所があってもいいとおもいますし、そこに集約したほうが効率がいいとおもいます。

ちゃんとしたシステムをつくるべきだと思います。できるだけはやい解決の方法をみつけてほしいとおもいます。なぜなら、医療裁判において患者さんの家族も医師も幸せにならないからです。

できるだけはやく実現してくださるとありがたいです。

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