バイパス手術の動脈グラフト

バイパス手術の際に、動脈グラフトを使うか、静脈グラフトを使うかというのはひとつの大きな議論になります。JACC 2019 Nov 5;74(18):2238-2248ではあきらかに生存ベネフィットがあるとされています。Reintervention rateも低く、あきらかにバイパス手術で2本以上の動脈グラフトはマストになっているのだとおもいます。

一方で2本使うか3本使うか、4本使うかというのがひとつの話題になります。2本と3本でJTCVS MarchでTaggartが2本とそれ以上で、違いがないということがわかりました。傾向としては全部動脈グラフトが生存がよい傾向にあるようですが、統計学的には意味のあるものではありませんでした。なので、全部使う必要があるかどうかはわかりません。

しかし世の中の流れとしては2本以上の動脈グラフトをつかうことが理想となっています。先日のAATSでは残念な結果が知らされました。実にたった7%の外科医が2本以上の動脈を25%以上のケースでつかっていて、1%の外科医が50%以上のケースで2本以上の動脈グラフトをつかっているとのことでした。衝撃でしたが、アメリカで生き残るひとつのありかたなのではないかとおもいます。

たしかに動脈グラフトをとるのはたいへんですし、取り扱いもときに厄介ですが、これをやるとやらないで、内科の先生からの評判がだいぶとかわってくるのもたしかです

バイパス手術をどんどんもりあげていきたいですね。

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