アメリカにプライベートプラクティスという方式の医師の働き方があります。これは何人かの外科医でグループをつくって、何個かの病院をカバーする方式です。みんなで患者さんをカバーしあうので、24時間対応にしやすいですし、患者さん側にとってもいつもの先生がたまたま休みでいないということもありません。引き継ぎさえちゃんとできれば、非常に効率のよい方法です。
病院にとっても、実は非常にありがたい方法で、たとえばそんなに手術件数はない病院でも外科が必要だったりします。そういう病院でもいろんな病気をカバーしなければならないので、疾患は多岐にわたり、結果としてあまり手術をしない医師が困難な緊急手術をしなければならないというなんとも残念な状況に陥りがちです。何人かの医師がいくつかの病院を担当するやり方ならば、ひとりあたりの手術数が多くなるようにしたほうが、効率がよいので、人件費が安くあがります。手術ナースも雇えば、病院で雇う必要もないですし、より効率よいのです。
また病院間でのやりとりもスムーズでしょう。もしも、深刻な患者さんを小さい病院でみつけたら、ナースもなれていないので、安全性を担保できません。医師の判断で他の病院にうつせば、より経験の多いナースが対応できるかもしれません。
日本にもしも帰ることがあれば、これをやりたいとおもいます。給与が十分はらえれば、バイトなどしなくて済みますし、そのぶん、病院の人件費も楽です。唯一、雇われるひとにとっては年金が心配でしょうが、これは、希望者は、別でインデックスなどに投資運用するようにすればよいとおもいます。積み立て貯金してもよいかもしれません。
このように人材の効率化のはなしは今後の大きな課題となるのではないでしょうか。