外科医に必要!マーケティング能力

マーケティングとか、営業とか、あまり医師に関係なさそうにみえます。多くの外科医は病院に雇われており、病院に来た症例をやるのが仕事だとおもっています。
しかし、実はマーケティングこそ非常に外科医に必要不可欠な知識なのです。

たとえば心臓手術をすごい正確性と速さでできる外科医A先生がいるとします。
知る人ぞ知る、外科医です。
ボクトツとした性格で、病院の内科の先生からの信頼があつく、様々な科から人徳者として知られ、院内からの患者さんをまかされています。

ここでもうひとり、手術はふつうで人間としてはいまいち、しかし、コミュニケーションがうまいB先生がいるとします。
彼は地域のすべての先生に知られ、院内ではあまりいいひととは思われていませんが、院外では優れた外科医とおもわれているとしましょう。
彼は巧みに他の地域の先生ともコミュニケーションをとり、患者さんは半径50キロ以内の各地からきます。

どんな医師であろうとも、経営陣としてはB先生を管理職におくべきなのです
なぜならばA先生は病院の新規売り上げにも貢献せず、病院の評判もあげないからです
B先生は新規売り上げをあげるだけでなく、B先生を通じて他の先生に病院の名前がしられることになり、病院全体の知名度向上、売り上げ貢献するからです。

結果として、A先生はB先生の2番手としての地位に甘んじることすらありえます。
それで外科医として幸せならばいいですが、腕を磨き、多くの患者さんを助けたいとおもうひとには、すこし物足りないかもしれません。
マーケッター外科医の中には論文が強力な広告であるとするひともいます。
なぜならば、客観的に評価された実績だからです。
たとえ、すばらしい成績でなくても、論文でよい成績であるとかけば、周囲のひとからもそのようにとらえられるはず。

マーケティングをするといっても何をすればよいのでしょうか
まずは現状分析です。

3C分析からはじめましょう。
3CとはCustomer(内科医)Competitor(他の病院)Company(自分の病院)
です。
つまり自分の病院の立ち位置です。
たとえば、となりの病院に胃がんの手術で知らない人はいない世界的に有名で有能な外科医がいるとしましょう。
その場合胃の手術を伸ばそうとするのは・・・Good Luckという感じです。
また、肺移植をしようとします。でも内科の先生がそういう患者さんをもっていなければ、どうしようもありません。
つまり自分たちがたたかうフィールドをあきらかにすることが大事です。

次に4C分析です。
これはCustomerからみたCost(コスト)、Cusomer Value(どんな手術が提供できるか)、Convinience(便利か)、Communication(コミュニケーションがとりやすいか)です。
Costはあまり関係ありませんが、のこりの3つのCは非常に重要です。
つまり自分がどういうものを提供できるか(外科医ならばどんな手術)、
そのときすぐ、必ずつながる電話番号、メールアドレスはなにか
フォローアップはどうすればよいか

自分の治療についても分析するため、SWOT分析をつかいます
Strength(強み)はなにか
Weakness(弱み)はなにか
Opportunity(どんなチャンス)があるか
Threat(脅威)はあるか

自分たちの治療の強みが明らかでなくてはなりません。
チーム力が。。。というひともいますが、そんなものは他の病院の先生にはみえません
治療の成績がトップクラスなのか
低侵襲手術をするのか
患者さんの満足度(スタッフがナイス、利便性や食事、建物の清潔さ)がいいのか
を分析する必要があります。

弱みは、たとえば
検査予約が簡単でない、時間がかかる
手術までの待ち時間がながい
成績がよくない
患者さんの満足度が低い
などです。

自分たちがこうおもう、こう感じるではありません。
実際数字として、どのようにあるのかを把握することです。
数字としてあらわれることと、実際に感じていることには実際ちがうことが多いです。

こうしてみてきたようにまずは自分たちの立ち位置を”正確に”把握することが重要です。
現状を確認することで、なにをウリにするかをしることができるでしょう。

何をアピールしたいか決まったら、次にプロモーション戦略をたてます。
すこし長くなったので、ここからは別のトピックであつかいます。

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