大動脈弁を取り替えるのに、生体弁、機械弁があります。生体弁と機械弁はちがいます。
生体弁はブタや牛の心臓部位からできており、人間のからだにもフィットしやすいことがわかっています。ただ、自分の弁ではないせいか、弁は平均して、15年から20年しかもちません。そうなったとき、取り替えなければならないのです。
対して、機械弁はカーボンからできており、人間のからだにはフィットしづらいですが、耐久性は抜群で、一生もつといわれています。ただ、フィットしづらいせいか、血液の塊が弁にくっつきやすくなり、脳梗塞などの原因となるため、ワーファリンとよばれる薬を一生のみつづけなければなりません。
近年On X valveという機械弁がでてきました。これはワーファリンの量を劇的に減らすことができ、患者さんがより安全に機械弁をもつことが可能となりました。
一方、生体弁でも、カテーテルで追加治療ができることがわかってきたので、実質的に生体弁でも、胸をふたたびあけなくてよい日がちかづいています。
若い人は生体弁がだめになりやすいので、機械弁、65を過ぎてきたら、生体弁でよいのではないかというのが、あらかたのオススメだとおもいます。
医学の、進歩でより安全に手術で長生きできるようになってきたのは素晴らしいことだと思います。
今後のさらなる発展を期待したいです。