心臓の機能がおちてしまって、ほとんど心臓が動かなくなってしまうことがあります。心臓の機能がおちて、それが全身に影響をきたす状態を心不全といいます。心不全に対しても手術法があります。
心臓は血液をおくるポンプで、血液はからだにとって栄養源なので、つまりはからだのあちこちが栄養不足になってしまうのです。結果著しくやせてしまったり、からだがむくんでしまったり、おしっこがでにくくなったり、息切れしてしまったりします。
遺伝子の影響や、ウイルス感染、全身にかかわる病気が心臓に影響してしまった場合や、心臓の病気が悪化してしまったときにとくにこのようなことになってしまいます。心臓の手術をはやくうけておけばよかったのですが、こわかったり、薬でなんとかしようとしすぎたりする結果なってしまうことがあります。
このようなときは最後の手段です。心臓をとりかえるか、心臓の機能をしてくれる人工心臓にたよるしかありません。心臓移植は日本では数が少ないですから、かなりラッキーでないとうけられません。これはもっと法整備をすすめるべきなのですが、むかし、大きな事件があり、国が萎縮してしまっている感じがあります。海外にいってうけるかたもいるようですが、これは非常に賛否わかれるところです。基本的には他の国の貴重な臓器をお金で買っているわけなので。
人工心臓は、素晴らしい治療なのですが、厄介な合併症が高頻度でおこります。胃や腸から出血して血便がでてしまったり、脳梗塞や脳出血になるひともいます。しかし、薬の治療ではどうにもならないので、これしかないのです。
人工心臓は移植がすすまないので、日本では進みませんが、海外では立派ないち分野です。ちなみに日本で一時期はやったバチスタ手術に代表される心臓のかたちをととのえる手術はいまだに、劇的な有効性をみとめられていません。今後日本でも人工心臓が発展していくように願うばかりです。