手術ちに心臓をとめたほうが、長生きできるかもしれない!?

日本では心臓をうごかしたままやるオフポンプバイパス手術を多くやっています。いくつか理由はあるとおもいますが、ひとつの理由は、いろいろなデバイスをつかったりすることで脳梗塞の確率をかなり下げられる利点があります。

心臓をうごかしたままするバイパス手術はいかにもよさそうなので、心臓をとめずに手術をしたほうがいいだろうと、おもうかもしれません。しかし、どの論文をみても優位性をえられずにいます。これはなぜでしょうか?

某国にくるまでは、バイパスで心臓をとめるなんて、とんでもないとおもっていました。しかし最近は、結局とめたほうがいいのではないかとおもうようになりました。

いくつか理由がありますが、一つは正確な手術ができることがあげられます。バイパス手術は一見単純ですが、細かくこだわれることがたくさんあります。ひとつはつなぐ場所だったり、縫い方だったり、つなぐときの孔の大きさだったり。心臓をとめないやり方はすこし時間制限があるときがあり、そのときは妥協せざるをえないときがあるのです。もちろん超一流外科医がやれば、ちがうのでしょうが、ふつうの外科医がとめたときととめないときで、おなじ場所におなじようにつなぐことができるか甚だ疑問です。

もう一つはとめたほうが、血管入口近くにバイパスできるということです。血管入口のちかくは血管がふとく、ながれがよくなるので、バイパスをしたときにより長持ちします。これは心臓をとめないでやっているときは気づかなかったことでした。

とくにいまはステント治療も、ありますので、最高の手術ができないなら、ステントをしてしまったほうがマシということになります。ということでやるからには最高のバイパスを提供しなければならないのです。

さらにいろいろな論文によると、一般に心臓をとめてやったほうが長期予後がよいことがわかってきました。これは意外な結婚ですが、とめてやりはじめると、なんとなく理由が、わかってきます。

大切なことは利点欠点をしって手術をうけることです。自分で、手術のことをよくしって、納得して、うけたいものです。

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