手術をうけるにあたって

手術をうけるにあたって、手術というもののコンセプトを書きます。

手術って怖いものだとおもいます。体に傷をつけて、悪い部分をとりのぞいたり、つくりなおしたりして、いったんからだの機能を落とすわけです。手術操作がうまくいかなくて、合併症を起こすこともありますし、うまくいっても、その臓器がとりのぞかれて、さらに手術された臓器やそのまわりの臓器の調子が一時的にわるくなります。がんや大動脈の手術では多くの場合は無症状で、なんで手術が必要なんだろうとおもうかたも多いとおもいます。手術はわかりやすいリスクのあるイベントですね。確実にいたみがあって、将来のリスクをへらす、現時点でのマイナスが確定してある将来への投資です。なので、手術をうけることは短期的にはなんのメリットもないことなのです。

手術をうけるかうけないか、それはそれぞれのひとしだいです。ただ、多くのひとはすぐに死ぬことを希望していないでしょう。その時点で手術をうけなくてもいいのじゃないかとおもうかもしれません。しかし手術を延期して、あとで手術をうけることは実はただリスクを延期するのではなく、生存するベネフィットをうけるかなり減らすことになります。心臓でいうならば、病気をほうっておくことで、死亡するリスクもありますし、心臓自体はほうっておくといたんでしまうことがあり、手術自体のリスクをあげます。なので、手術をうけるならばはやくうけるべきですし、うけないのであれば、死ぬまで受けるべきではないとおもいます。もちろん個人事情がありますから一通りではないですが。

どんなにだれかに薦められても、自分で決めることが大事です。家族が、職場が、という事情もあるでしょうが、どちらにもどちらにしても迷惑はかかります。そして究極的に家族であれ、友人であれ、他人です。あなたの人生を左右させてはなりません。自分で決めるべきでしょう。

まずはこころ構えから。

手術は短期的に必ずマイナスなイベント。でも長期的には利益があるはず。よく考えて自分で決めてください。

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