混合診療について

混合診療は日本ではかなり禁止されています。つまりはできる医療が国の保険によってきめられているということです。混合診療はときには患者さんにとって有利であることがあります。自由が制限されるということがあります。

混合診療とは保険診療、つまり国がこういう病気にはこういう治療をしなさいといった治療法をしながら、自由診療、医療者が考える医療をあわせることです。これは日本では違反となり、保険からお金がおりないようになってしまいます。つまり自分のお金で看護師さんや医師、設備、薬剤など、すべてをはらわなければならないのです。実際、日本では実感がないですが、アメリカでは自分のポケットから払う大金持ちがいて、一億円を超える請求をすることもあります。

ということで単純な話、新しい薬を点滴や内服くらいでできるものであれば、薬剤費だけでよいのですが、ロボット手術など高度医療になると、手術以外の部分でお金がかかりますので、かなりの支出になるわけです。

医療というのは常にすすんでいます。しかもすごいスピードで。日本ではテストされていないけれども、海外ですでに一般化されている手術というものもあります。カテーテルの弁置換もそのうちのひとつでした。また人工心臓もつい最近まで古いタイプで安全でないデバイスしか使えませんでした。こういったものは長期に命にかかわってきますから、デバイスが国にみとめられていないためがだけに、せっかくのチャンスをのがしてしまうということになります。

なぜ日本でデバイスがみとめられないのか。それはひとつはデバイスがみとめられるためには国内でテストをする必要があります。経済の不調のせいか、製薬会社やデバイス屋さんにとってそんなに魅力的なマーケットではないので、臨床試験がおくれるわけです。

ヨーロッパではデバイスの使用が早く、簡単にみとめられるので、いち早く採用されている例が多いです。アメリカは大変なお金が費やされていますので、会社にとっては大きなマーケットであり、会社がこぞって国にみとめられるように努力します。日本はそういう意味では規制もきびしく、えられるお金も大きくないので、デバイスが国からみとめられる時間が長くなるわけです。

話はもとにもどりますが、お金をつかっても、デバイスをはやくつかってほしいひとたちはいっぱいいますので、そういうひとには混合診療というものは効果的なわけです。もちろんいかがわしい混合診療で利益をねらうひとたちもいます。ビタミンの点滴をしたり、再生医療をうたって、信じられないようなことをするひともいます。しかし、一方で、ちゃんとした最新の医療を提供したくてもできないひとたちもいるのです。これが民間保険会社が提供できる保険かもしれませんが、日本の国の保険が優秀であるが故、保険がコストにみあいません。

患者さんの利益と自由を最大化するためにも混合診療は今後、必要になっていくとおもいます。いつのひか日本も自由経済になるといいなあとおもいます。

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