留学をする前に考えなければならいないこと

医師が留学する前にひとつ考えなければならないことがあります。
”なぜ留学するか”です。
いまや21世紀で情報があふれていますから、未知の世界を切り開くことは実はすくないのです。
つねにどのものにも先人がいて、そこをつつくと情報がでてきます。
留学してから意味を考えるのは前時代的で、何かしらの方向で意味づけられます。

留学の意味を考えるにはまずは自分のキャリアゴールとプランをたてなくてはなりません。
ゴールはなんでもいいとおもいます。
臨床ができる医師、研究ができる医師、異性にモテる医師、お金を稼げる医師
いろいろなモデルがあります。
価値観ですからどれをえらんでもいいですし、それを誰かが批判するのは間違っています。公共の福祉に反しない限り。
具体的であればあるほどいいとおもいます。
たとえばお金であれば、最低年収1億ほしいとか。

キャリアゴールがたったら、プランをたてます。
どうしたらゴールにたどりつくのか考えます。
いつまでに何をしなければならないかを考えます。
そうしたときに浮上するのが留学というものです。

留学は私は投資だとおもっています。
つまり短期的にはマイナスということです。
若いころは留学にいくことが常にプラスだと考えていました。
ただいまはそんなことはないことがわかります。
給与もすくない、日本のキャリアはストップするので、時間もなくなる。
マイナスしかないのです。
ただ、留学をつかうと大きなジャンプができることがあります。
たとえば、箔がつくとかでもいいんですが、
臨床経験がぐんと増すとか
ペーパーの数が倍増するとか。
いままでなかった力がみにつくとか。
そうすると、日本にかえったときに、その得たものを使って昇進できるかもしれませんし、お金を稼げるかもしれませんし、外国語が話せて、モテルかもしれません。w

日本にいたとき、よく見たのは、とにかく医局の方針についていく先生です。
つまりは医局がひいてくれたレールをただひたすらはしって、信じて、前にすすむことを疑わないひとたちです
これは危険な考え方かもしれません。
なぜならば、あなたの将来は医局は保証してくれなくなるからです。
だんだんと情報開示が盛んになってきます。
そうすると、医師同士の競争がしょうじます。
他の人との違いが明らかでない医師は存在価値を失っていくのです。
もしも医局で輝けるひとならば、その限りではないですが、そうでなければ、医局のために働いたものの、ポジションは得ることはできずに、一生かいころされることも考えられます。

これはいま大企業が終身雇用制を維持できないと明言していることに似ています。
昨年トヨタの豊田社長がもう維持できないと明言しました。
だんだんとイノベーションの速度があがり、テクノロジーについていけなければ、競争力はなくなり、淘汰されていきます。
いままでよりもずっと、そのスピードはあがっています。
適材適所に人材を変える必要があり、人材の流動性が高くなるでしょう。
なにがいいたいかというと、自分の価値がなければ、将来の保証はないということです。

医師の世界はたぶんその傾向がゆっくりやってくるとおもいます。
なぜならば、医師免許という参入障壁があるからです。
しかし、AIなどの発展などで、他の業種がわれわれの産業に食い込んでくることは容易に想像できます。
そうすると競争力を失う医師がどんどん増えていくとおもいます。

今後必要なのは、そういった変化に対応する力なのだと信じています。
そういった力を得るためには医局にぶら下がって生きるのではなく、自分で道をさがして切り開いていく必要があるとおもいます。

留学は、投資です。
変なものに投資すると、お金と時間をすてることになるのは株をやったことのあるひとは容易に理解できるとおもいます。
私も何十万かドブにすてました。
留学をする際にはその投資をよく評価してみてください。
そうするとなぜ留学するかが見えてきますし、留学先ですることも容易にわかります。
そして留学後どうするべきかもわかるとおもいます。

もちろん異国に住むというのだけでも楽しいのですが、ぜひ意味合いをつけて、考えてはどうでしょうか。

また留学の際に注目すべきポイントは後に書きます。

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