自分が若かったらこうしたなあ-若い外科医へー

つい最近まで若手だったのに、もう中堅の年齢になってしまいました。いまのところの反省をこめて、若い外科医にアドバイスを。

1.まずは目標を決めよう

目標をたてましょう。つまりは引退するときにどんな外科医になりたいか、そういうことです。外科医たるもの、いつかはメスをおきます。違う興味をもって、開業される方もいますし、研究へ邁進される方もいます。人それぞれです。ただ唯一の存在になることの目標はやめましょう。たとえば東大の心臓外科の教授になりたいとすると、あとでわかりますが、タイミングや、そのときの政治など自分でコントロールできないことが多くあります。ただし、どこかの教授になりたいとか、一流大学の教授になりたいなら、まだ可能性はあるかもしれません。どこかの部長なら、どういう場所の部長かということも考えましょう。そうすると、サンプルになる何人かの先生がどのようにしてなったのか、どこかの医局の先生なのか、よくみえてきます。

地位が目標でないかもしれません。手術や、研究などのスキルかもしれません。どういう手術をどういうレベルでできるようになるのか、どのような論文を何本くらいかけるようになりたいのか。住む国かもしれません。

2.メンターをさがしましょう

目標になるひと何人かのサンプルをよくみておくこと、何人かの先生とコンタクトをとって直接会いにいくことは、悪いアイディアではありません。もちろん、自分の人生なので、途中で軌道修正したくなったり、せざるを得なくなってしまったりしても、まあそれはそれでよいのです。ひとの人生をなぞるのもつまりませんし、だからこそ、一度きりの人生なのです。

直接会いに行けたら、メンターになることをお願いしましょう。つまり、次のステップへむかうときに、毎回相談するのです。いままでみえなかった選択肢がみえることもありますし、選択肢がリーズナブルにえらべるかもしれません。ただ、ひとりの意見でなく、何人かの意見を合わせたほうが吉でしょう。断られるかもしれません。でも、なにも失うものはないでしょう。

3. 毎日が勝負です

キャリアは競争ではありません。しかし、他のひととくらべて努力しなければ、秀でる存在にはなりえません。つまり、目標には到達できません。どのような努力をすべきか、それはメンターにきいてもいいですし、医局などの先輩にきいてもいいでしょう。自分と利害関係のないひとに聞けると吉です。毎日コツコツと努力できるひとはすくないです。たとえば手術ならば、細い針で縫う練習を毎日しているひとはあまりみたことがありません。でも1日10分のちがいが、1年でかなりの差になります。尊敬する放射線科の先生に”毎日1つ賢くなれば、年に365個賢くなるんだよ”と言われました。そのとおりだとおもいます。毎日目標に向って努力しているひとはまれで、そういうひとが目標を達成するのです。

いろいろ迷うこともあるかもしれませんが、まずは楽しむことをこころがけましょう。自分で決めた道、信じた道を楽しんで歩めることほど幸せなことはありません。是非楽しんでキャリアを積んでください

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